レジリエンス法律事務所

2025/8/5

  • 法律コラム

  • 事業承継

事業承継とは何か?〜見落とされがちな法的リスクとその対策〜

目次 _______________________________

日本の中小企業では、経営者の高齢化に伴い「事業承継」が大きな課題となっています。
中小企業庁の調査によると、2025年までに70歳以上となる中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人にのぼり、そのうち約127万人が後継者未定とされています。事業承継の準備不足は、企業の存続に深刻な影響を及ぼす可能性があり、約650万人の雇用と22兆円のGDPが失われるリスクも指摘されています。

※出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」(PDF)

また、帝国データバンクの2024年調査では、社長の平均年齢が60.7歳と過去最高を更新しており、事業承継の遅れが経営リスクとして顕在化しています。

※参考:帝国データバンク「全国社長年齢分析調査(2024年)」


1.見落とされがちな法的リスクとその対策

1.1  事業承継とは?

事業承継とは、企業の経営権や資産を次世代へ引き継ぐプロセスです。
中小企業では親族間の承継が多く見られますが、近年では従業員承継やM&Aによる第三者承継も増加しています。

主な承継対象:

  • 経営権(株式・代表権)

  • 資産(不動産・設備・知的財産)

  • 人的資源(従業員・顧客・取引先)

1.2  潜在的な法的リスクと対策

リスク

内容

対策

相続トラブル

相続人間の争い、遺留分請求

遺言書の作成、民事信託の活用

株式分散

経営権が分散し意思決定が困難に

株式の集中化、持株会社の設立

契約の不備

取引先との契約が承継されない可能性

契約書の見直しと再締結

税務リスク

相続税・贈与税の負担

税務シミュレーションと事前対策

🛠️ 法的リスクへの具体的対策

事業承継を円滑に進めるためには、以下のような法的対策が有効です。

  • 遺言書・民事信託の活用:後継者に明確な権限を与え、遺留分に配慮することで、相続争いを防止。

  • 株式の集中化:後継者が意思決定し易いよう株式を集約し、意思決定の一元化を図る。

  • 契約の再確認:取引先との契約内容を精査し、承継後も有効な形に整備。

  • 税理士・弁護士との連携:専門家の助言を受けながら、税務・法務の両面でリスクを最小化。


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※本記事は、記事掲載日現在の法令・判例等に基づき、一般的な法的知識を提供することを目的としたものです。
※個別の事案における法的判断は、具体的な事情により異なる場合がありますので、本記事の内容は、特定の事案についての法的助言を提供するものではありません。
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